上司と部下の関係:上司の指示に秘められた期待値 ~2.作業者からの脱却~

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さて、前回は「阿吽の呼吸」に基づいた上司と部下のミスコミュニケーションについて触れました。

「まぁいい感じにやっといてよ。」

からの

「全然ちげーじゃねーかよ!」

という風景はどの会社でもそれなりに見かける光景です。一方で「じゃあ1から10までちゃんと細かく指示しろよ!」と言いたくなるのが指示を受ける側ですが、それもダメなのです。

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■なぜ作業者は褒められないのか。

全部詳細に指示してもらって、それをトレースするだけの作業者では「作業者以上の給料」をもらえません。

エクセル作業なら、残念ながらエクセルが使える学生バイトと同じ価値になってしまいます。一応コンサルティングをメインに記載している本記事ですが、当然ながらコンサル云々ではなく、それなりの企業で働く者として作業者レベルで評価されるほど社会は甘くありません。

まず基礎的なコンサルタントのマインドですが「考えて付加価値をつける」ことがその人の価値になります。考えに考え抜いてひねり出した付加価値を形にするのが作業です。

ちょっとした調査、議事録の作成、発生している課題の整理といったインプット作業から、報告資料作成、合意形成のミーティング設計、課題解決に向けた打ち手の検討といったアウトプット作業まで、「これこれこういう風にすれば、こんな風に良いことがある」ということを考え抜き、結果として「これこれこういう風にすれば」を作業に落とします。

つまりただ上司から10の指示を待っている作業者は、上記の”考えること”をすっ飛ばして作業だけをしようとしており、”考えること”を上司に委ねてしまっていると言えます。

■「考えてますよ」と言っても「考えてそうに見えない」部下たち。

「いやいやよく考えてやってますよ!」

と言いたい人も多いでしょう。上司の立場としても「考えている」と言われても期待した成果が出てこない、さらにハッキリ言えば考えているようには見えない場面も多いはずです。頭ごなしに、

「もっと考えろ!」

と言っても部下と気持ちが離れるばかりで、上司が不当に評価してくれないとか、部下が何度言っても改善しなくて使えないといった愚痴に繋がるばかりです。考えてますよと言う部下は実際に作業量は他のメンバーより多かったり、確かにアウトプット量はしっかりしている場合もあります。つまり「考えてますよ!」というのは特に作業が早い人に散見される発言とも言えます。

これはアウトプットの”早さ(業務量)”について考えているものの、”質”についてはあんまり考えていないパターンが多いです。

  • “早さ” =どうやったら与えられた作業を効率良く早くこなし、たくさんの業務量をこなすか考えること。つまりHow。
  • “質” =どんなものを作ったら最大限の効果を出せるか、そのためにどんな材料が必要かを考えること。つまりWhat。

もちろん”早さ”を考えることは非常に重要なのですが、それ以前に”質”を考えることがその仕事の成否を分けます。そして難易度も高いのです。部下は”早さ”を意識して「考えている」と言っているものの、上司は”質”も意識して「もっと考えろ」と言っているのですね。その点を明確にして伝えてあげなければ部下の行動は変わらないでしょう。

どうしても新卒で働き始めなんかは、隣に座っている新卒同期よりもいかに早く作業を終わらせるかがその人にとってのKPIになりがちです。そして周囲も早く作業をこなす方を重宝し、褒めがちです。それはそれで重要ですが、安直にスピードだけを褒めると作業が早いけど考えない作業者になってしまうので注意が必要です。

ではなぜ上司は10の指示を出さないのでしょうか?めんどくさいから?

それはまた次回。