チームマネジメント:まぁまぁ偉くなったとき、自分で手を動かすのか。~前編~

ファームによって色が異なるので一概には言えませんが、自分がまぁまぁ偉くなったときに手を動かすのか動かさないのか、ということを考えてみました。

今回は具体的に自身で資料、つまりスライド作成を行うかどうか、という観点で考えてみたいと思います。案件が最終的に報告書を出すものか、システム開発なのか、クライアントに伴走して案件を実行していくものなのかによっても一概には言えないので、ざっくりですがプロジェクトのリードとして効率良くプロジェクトを回す立場を想定しています。

主にイメージしているのはシニアマネージャー、あるいはマネージャーでも案件を自分がリードしている場合でしょうか。

■僕は資料化して残すということにこういった価値を感じている。

コンサルタントは紙書き屋と揶揄されるほどたくさんのスライドを作成します。僕はこれまで色々なクライアントに入ってきましたが、国内事業会社のお客さんというのは結構資料を作成しません。日々の売上報告など、数字関連はよく作りますがあくまで集計結果が多く、定常外業務における議論や決定事項などはあまり資料にして可視化しない傾向にあると感じています(ゼロではなく、相対的に)。

日本企業のクライアントを見ていると、やたらとミーティングが詰まっているので、そもそも資料を作成している時間すらないのかもしれませんね。

そのためミーティングではほぼ空(そら、つまり資料なし)で議論するのですが、確かに合意した結論にしたがって参加者がその後の業務を真っ直ぐ突き進めばそれで良いのです。その理想通りに行けば資料を作成する時間はただの無駄と言えるかもしれません。

ですが実際のミーティングでは、説明をしていることが相手に伝わらなかったり、空中戦になったりします。ミーティングで結論が出た後も実はいまいち認識が合ってなかったり、時間が経つと「あの時の話なんだっけ?」となるケースが多いように思います。

議事録も良いですが、社内ミーティングではほぼ結論とネクストアクションだけを記載することも多く、しかも時間が経ってからからわざわざ議事録を見に行くこともありません(あの時こう決めたやん!という証跡に使う程度で、経緯が書いてないので長時間経ってから見返しても参考になりづらい)

こういった理由から、僕はシンプルでもいいので物事を資料化して残す価値を感じています。

■僕は手を動かすタイプだが、重要なミーティングに向けてこのようなスタンスで関与する。

一方でコンサルタントに目を向け直してみましょう。

コンサルタントは経営層や、部署横断の主要メンバーが揃うような”大勝負の会議”に挑むシーンも多く、こういった場は“一発勝負”である分だけ事前の準備が非常に重要となります。もちろん話す準備も重要ですが、資料準備も重要です。

なのでクライアントよりかなり厳しい目線で資料作成を行います。もちろん紙を書くことが仕事ではないですが、これが大きな武器であることは事実です。

さてようやく話が戻ってきて、プロジェクトリードをする立場でどこまで手を動かすのかという話。チーム全体でDeck(資料パッケージ)を作るとき、基本は各メンバーにスライド作成をしてもらいますが、その中でも僕は手を動かすタイプです。

その際の基本スタンスは、

  • Agendaは自分が決める
  • それに沿って各パートの方向性を考え、メンバーに指示を出す
  • エグゼクティブサマリや、めちゃキーとなるスライドは自分で作る(ことが多い)
  • メンバーが作ったもののレビューとフィードバックを行う
  • ある程度揃ってきたら、ストーリーやメッセージラインの最終調整を行う
  • 結局一部のボディ(図や表、イメージイラストなど)にまで手を入れてしまう…

というように動いています。最後は特にやめたいのですが、結局手を出してしまうところが僕の悪いところだなぁと反省しています。。

後半へ続きます。

前回の続きから、今回は実際に資料作成におけるリスクヘッジとテコ入れをするタイミングについて書いていきたいと思います。 ■...続きはこちら。