コンサルの上手な使い方:コンサルを高級派遣でズルズルと使ってはならない。~クライアント目線編~

前回に引き続き、コンサルタントを”高級派遣扱いでズルズル使う”ケースに対する考察です。前回はコンサルティングファームの目線から、現場としてはモチベーションが下がるが、営業観点では収益を安定してあげやすい案件だということを書きました。

高級派遣だ、と揶揄されることも多いコンサルティング業。 実際に常駐を許容して支援を行う場合はこういったケースも散見されるのが事実です...続きはこちら。

今回はクライアント目線から、これまでの僕の経験に基づいて実態を書いていきたいと思います。

■クライアント現場目線ではどう見えるのか。

率直に言うとクライアントのマネージャークラスだと”優秀な自分の参謀を得た”、担当者クラスだと”優秀で従順な部下ができた”という錯覚を起こしてしまうことがあります。しかも外部の人間なので従順、勤怠の管理や評価も不要という、手間のかからなさもあります。

その結果、コンサルタントに任せなくても自分たちでできるはずの業務を依頼しまくり、”コンサルに依頼しても費用対効果の悪い”状況が多発することがあります。それでもコンサルにやらせてうまくいったことは、クライアント自身の成果に見えますからね。あとは単純に人が足らないからコンサルにやらせる、ということもあります。

ここに欠落しているのは”コスト意識”です。まぁ実際のところかなりの金額をフィーとしてコンサルに払っているはずなので、その対価に見合うような業務を依頼しなければお金の無駄遣いなわけです。

よくあるのが予算を出している発注者と、実際に支援する先の部署やチームが異なる場合。社長や本部長クラスが予算を出し、現場の改善に投入するケースはマネジメントと現場が離れていることがあり、いわゆる”親に金を出してもらっているから金額が気にならない”状態に陥ることがあります。また他にも経営企画などの横断的な部署が予算を拠出し、各事業部にコンサルタントを投入することもあります。

■最後にクライアントのコンサルフィー出資者目線。

最後にコンサルティングフィーを拠出している立場です。この人たちはもちろん自分の財布を痛めているのでコスト意識がしっかりあります。

そして大事なのが、コンサルを投入するにあたって大義というか「コンサルに頼まなければならない目的」があったはずです。それが現場まで届いていないことは実際のところ多く、最初に説明はあったとしても現場が意識を持って同じ方向を向いていない場合があります。なので僕は投入されたコンサルタントも意識的に布教活動を行っていく必要があると考えています。

しかし苦しいのが日々コンサルタントが対面するのは現場であって、彼らの期待にも応えていかなければなかなか信頼関係の構築がしづらいこと。とはいえ現場の希望ばかりを聞いて対応していると出資者の期待に応えられずに契約が続かないリスクがあります。

愚直に目の前の期待にばかり応えようとせず、これをバランス良くこなせる立ち振る舞いができるコンサルタントこそ、いわゆる”実行支援ができる”人材と言えると思います。