新卒就活:この学生は働けそうだというイメージを持ってもらえる”ビジネス感”。~その2~

前回に引き続き”ビジネス感”が就職活動にどのように必要か説明していきます。

さて新卒の就活もそろそろ準備が進んでいる時期かと思います。ここ数年は経団連の右往左往によって就活時期に色々と変更があるようですが、ぼちぼち...続きはこちら。

■初期面接官は特に「自分と一緒に働けるか」を意識している。

学生の時点で最初から”ビジネス感”を持っている人はいない(ビジネスをやってる学生も中にはいますが)と先ほど書きました。

でも逆に言えば”ビジネス感を感じさせる”学生であれば、それだけでも「おっ」と感じさせるものです。それは面接をしているビジネスマンからすると、なんとなくでもその学生と”一緒に働くイメージ”が湧くためです。

言い方は悪いですが、企業の1次面接もしくは2次面接ぐらいでは「学生の採用慣れした面接官」が出てくることは少ないのです。人事部は1年のうち新卒採用面接のシーズンがかなり業務量が増えます。単純に多数の学生と面接を行うだけでもかなりの人手が必要になるのです。すると普段は他部署で営業や購買、商品企画や開発をやっている社員の手を一時的に借りて面接官をやってもらうことが一般的です。

何が言いたいかというと、最初の面接なんて人事と関係のない現場の若手社員が「面接のやり方なんてわからん」状態で面接にやってくるわけです(人事が事前に軽くレクチャーはしますが)。なので面接官は「自分の部下/後輩にこの人が配属されたら一緒に働きたいか」という考え方で学生を見ることが多いでしょう。

そのため初期の面接では「自分にポテンシャルがあること」をアピールしつつ、「一緒に働くイメージ」を持ってもらうことに重点をおいた方がいいと考えています。純粋に人として好かれ、かつ”ビジネス感”を持っているだけでも初期の面接の通過率はグッと上がるはずです。

現場からやってくる初期の面接官は、学生面接のプロではなくても現場業務のプロです。その点、決してごまかしの利く素人面接官だと勘違いしてはいけません。いつも若手の指導をしながら業務に当たっている以上、”ビジネス感のないヤツ”に対するアンテナはかなり高いでしょう。

■では具体的に”ビジネス感”は何が備わればいいのか。

「じゃあ”ビジネス感”って具体的に何?」と聞きたくなると思います。

  • ビジネスの場に適切な言葉遣い
  • 服装、髪型などの身なり
  • 大人と話す際の落ち着き、会話の間の置き方
  • 馬鹿笑いしない、笑い方
  • 歩き方、人の話を聞く姿勢
  • 考え方、雑談のトピック
  • などなど・・・いくらでも

ふと思いついた範囲で幾つか挙げてみましたが、これらは氷山の一角でしょう。高校生だろうと、大学生だろうと、”雰囲気”というのはそういった総合的なものです。これらを全て網羅的に学ぶことは困難ですし、学生の就活で完璧を目指す必要はないです。

「じゃあ結局できることとして、ビジネスマナーの本1冊読んでおけばいいよね?」

それでいいかというと、僕はNoだと思います。もちろんビジネスマナーの本は読むこと必須ですが、学べるのは一部だということです。”ビジネス感”を網羅的に書籍で学ぶことは無理です。新社会人/就活生向けのマナー本はひととおり押さえておきつつ、重要なのは実際に朱に交わることです。

■ビジネスマンの雰囲気に触れることで”ビジネス感”に染まる。

つまり実際にビジネスの場になるべく近づいて肌で体験することが望ましいです。具体的にはインターンが手っ取り早いでしょう。もちろん選考を兼ねているインターンもあるので、それが本命ならその前には”ビジネス感”を持っていたいですね。また今の時期からではインターンは難しいとか、授業の関係から理系等でインターンにいけない人もいると思います。そういう人はビジネスマンに会うことをお勧めします。

人づてに紹介してもらった社会人と相互にコミュニケーションする方が、企業セミナーで一方的に遠くから話を聞くよりも効果があると思います。興味のある業種で、実際にどのような仕事をやっているのか話を聞きつつ、なるべく自分も話してみることが重要です。それを繰り返していくと次第に自分が染まっていきます。

なんとなく笑い方が上品になったり、言葉尻や相槌の打ち方がわかってきたり、座る時の姿勢や目線の配り方が変わったりします。色々な要素が”なんとなく”でも身にしみてきます。就活の頃はそれだけでも随分と周囲とは差がつくでしょう。

グループディスカッションや企業説明会の学生からの質問のような場で、ふと「あの人(学生)すげぇしっかりしてるなぁ」と感じることがあると思います。そんな風にちょっとした機会・時間でも”ビジネス感”ってわかるものなんです。

就活スキルの中では見落としがちな要素ですが、”ビジネス感”も重要視してみてはどうでしょうか。