ワークライフバランス:育休からの復帰とリハビリ。~プロジェクト制は育休に優しい編~

さて、引き続き育休編。もう少し育休の取得について書いてみたいと思います。

だいぶ久しぶりの投稿なのですが、もう4月も終わりまで来てしまいました。僕はというと実は2017年の年末から育児休業を3ヶ月半取得しており、...続きはこちら。
僕は残念ながら世間では「ブラック」とか言われるタイプの会社に所属していますが、そこまでブラックだとは思っていません。"成果"に対する"権利"...続きはこちら。

■コンサルティングファームは育休復帰しやすい説。

僕が職場復帰とともにアサイン(配属)されたプロジェクトは育休以前に働いていたところではなく、新しいプロジェクト。それは元々いたプロジェクトチームがかなり少数チームで僕が抜ける際に新しいメンバーを入れたため、復職したからといって体制(=クライアントからもらう金額)が増えない限りは僕が戻る余地がないのです。

つまり元々僕が育休前に座っていた席なんてないわけです。

それはそれで良いことですよ、僕の玉突きでプロジェクトに入ってもらった人は問題なく仕事が回せているということなので。その人が使えなかったら職場復帰とともに僕が戻され、その人が飛ばされます。笑

プロジェクト制のコンサルティングファームであれば、(管理部門は違うかもしれないが)定常業務ではなくて日々どこかで新規プロジェクトが生まれ、日々プロジェクトが完了していくので日常的に人材の移動があります。

なので常にどこかで人を募集しており、育休から戻ったタイミングで新しくそこに入っていけばいいのです。元々自分の座っていた席に戻ろうとする必要はありません。多くの場合は前の上司もいない。そこにプロジェクト制の復帰のしやすさがあるわけです。

■プロジェクト制は諸刃の剣かもしれない。

ここまでの話を聞くと良さそうに聞こえますが、諸刃の剣であるということも書いておきます。というかコンサルティングファームの原則に立ち返るだけなのですが、スムーズに戻れるかどうかは”実力次第”ということです。コンサルティングファームは非常に自由度が高いですが、自由のためには明確に実力が必要です。

というのもプロジェクトをやっていて、契約が終わるときにはチームが解散することになります。そして次のプロジェクトに移るのですが、「チームごと新しいプロジェクトに移植」されたり「直近/過去の上司が行ったプロジェクト先に呼んでもらえる」ことも多いでしょう。新しい上司と仕事をするにしても、事前に前プロジェクトの評判をチェックして呼ばれることが多いです。

そんな風にすぐ呼んでもらえないと”現在ヒマなリソースリスト”に載って、人を募集しているプロジェクトから声がかかるのを待つわけです。

では育休を取るとどうか。

通常自分がプロジェクトを運営していて、リソースが欲しければまず「実力のわかっている過去一緒に働いた優秀な人/人づてに紹介してもらった優秀らしい人」に声をかけます。先ほどの通りです。でもそういう人たちは引く手数多なので大概空いてません。

次に”現在ヒマなリソースリスト”を見るわけです。そこで目ぼしい人に声をかける。もちろん一人ひとりの過去のプロジェクト経歴やスキルが書かれている。そのリストに載るようだと育休明けの人はどう映るでしょう?

「育休明け=ブランクあり」

同じような人材が2名いればブランクがない人を選ぶのが一般的。つまり不利なわけです。

コンサルティングファームのプロジェクト異動は(特に会社として受注が活況でないとき)はある意味転職活動に近く、過去に実績のある人はすぐに名指しでお声がかかり、実績がない/上の人たちに知られていない人達は自分の履歴書を出して面接に呼んでもらうを待つわけです。履歴書の経歴が悪ければそもそも面接に呼ばれずアピールの機会すらないかもしれません。

これがプロジェクト制ゆえの”戻る場所が保証されていない”諸刃の剣です。会社が活況であれば全体的に人不足に陥るので、わりと実績がなくても復帰できます。なのでタイミングを見るというのも重要です。

■育休を取得するうえで、外資というのもポイントかもしれない。

「所詮外資企業の日本法人は、日系企業でしょ。」

まぁそういう側面もあるかもしれませんが、相対的に見て日系企業よりは男性の育休について事例も理解もありました。特に評価制度として、明確に「育休期間を除いて(働いた期間が短くとも)公平に評価する」という規定がありますし、なによりそれを頭では理解している人が多いです。

所詮、人事評価は人の気持ちにも大きく依存します。「育休取って働く期間が短いんだから今季はアイツは評価しない」という気持ちが少ないのは外資の良いポイントかもしれません(日本法人において、まったくないとは言わない)。

一方で僕の友人の話を聞いていると、某メガバンクや某保険会社では”ちょっと家庭都合で休むとき”を「育児休業として申請しろ」と言われるそうです。育児休業が1日単位で取得できるという制度を逆手にとって部署の育休取得率を上げようとしているのですが、なんとなく気分が悪いですね。(それが有給じゃなくて育休にしても給与支給対象なのかは聞いていない)

こういうところでは数ヶ月の育休を取る、特に男性が取るというような考えは、トラディショナルな上層部によく思われない可能性もあります。もちろん人によります。■では僕は育休はどうやって取ったのか。

結果さえ出せば文句がないという点は、外資の方がサッパリしていて気持ちとして取得しやすいかもしれません。僕の意見としては職場に配慮を行ったうえで(早めから相談してリソース調整の期間をしっかり取るなど)、職場の空気なんか無視して育休を取ればいいと思います。女性は出産があるので育休を必ず取るのですが、男性にもそれだけの価値があります。

昨今、コンサルティングファームの受注は活況です。うちの会社も仕事はたくさん取れてるのにリソースがめちゃめちゃ不足しています。

なので育休はは”とにかくどのプロジェクトも人が募集されているので復帰しやすい”という反面”抜けられると代わりがいないので取得しづらい”という状況です。となると会社の管理職層の反応はどうなるでしょう。

会社として制度は整っていますし「育休なんて取るな」と言える雰囲気ではないので、

「育休取りたい?いいよ。全部自分で調整して取れるもんなら取ってみな」

という空気です。もちろん後半は言葉に出しては言われません。笑

だから僕はクライアントの説得と自分の代わりとなるリソース探しを全て自分でやってやりました。現実的にプロジェクトを回せる人を探すのにめちゃめちゃ時間がかかり、結果として子供が生まれた直後ではなく9ヶ月ぐらいからの取得になりましたが、それでも全然価値のある育休と言えます。

取得について書いてきたように思いますが、復帰の方も大変です。笑 近々復帰について記載していきたいと思います。