システム導入:早期のシステム投資回収によりスイッチングに備える。

最近のパッケージ化されたクラウド型製品は安い。長期的なランニングコストや自社独自のシステムなど、強い意図がない限り積極的にオンプレ型システムを探すケースは無くなってきました。

クラウド型パッケージを利用すると初期構築費用が小さくなりやすく、導入開発費(つまり構築費用)はかかっても、製品ベンダーのライセンスフィーは初期費用すら取らないものもあります。

ランニングコストもライセンス数(つまりユーザー数)×単価の場合が多く、つまり小規模に利用する場合も手が出しやすくなりました。もちろんボリュームディスカウントのレートも大きいように感じますが、一方で少人数でトライアル的に使ってもそれほど大きなコストにならず、利用中止してもサンクコストは小さくすみます。

■サイクルが早い領域の製品は早期コスト回収できることが望ましい。

もちろん大人数で、さらに長期間使う場合はランニングコストが嵩んできます。ですがマーケティングツールのようなテクノロジー、粗く言えば流行り廃りの早い領域では、5年の償却まで使わない可能性も高く、戦略的に次の良い製品に乗り換えやすい状態を作っておくべきと思います。

クラウド型パッケージは初期費用が低く、かつランニングも使ったら使った分だけという費用形態なので、スイッチングコストが小さいです。製品乗り換えが早いかもしれないのに、パッケージ標準をゴリゴリ改造して初期開発費用を大きくしてしまうのもナンセンス。

さらにシステム選定時には早期に投資回収できるかどうかも確認しておくのがベターですね。理想論としては、システム投資のROIを出すなら5年で計算しないほうが良いです。1-2年でpayback(利益増分の積算とコストの積算が損益分岐を迎える点)を迎えられると良いですね。

■前システムの借金が残っていると、次のシステムに移行できない。

クラウド型かオンプレ型か、という議論になるケースは少ないと思います。なので製品サイクルの早いクラウド型ツールにおいては、今回導入するシステムとその次のスイッチングまでを見越した収支設計が必要というのが今回のメッセージです。

マーケティングチームであれば、また次にテクノロジーブレイクスルーが来た時に素早くそれに移行できる体制を築いておかなければ、あるいは導入したツールがイマイチだったときに、システムコストの借金がいつまでも残っているから身動きが取れないのでは売上も上がらず負の連鎖ですから。。