人材戦略:代謝、つまりクビは必要か。 ~人材を解雇することの意味編~

ズバリ、人をクビにする行為は必要なのでしょうか。

日本企業の多くはいわゆる終身雇用を敷いていますが、終身雇用というのは結果であって制度ではない気がします。

つまり社員をクビにする仕組みがないということですね。クビにできる仕組みがないから、結果として社員が自分で辞めない限りは終身雇用になるわけです。

■早期退職とクビは違う。

大手各社が早期退職を募っているというニュースはちょくちょく耳にします。これは自主的に辞めてくれる人にちょっとお金あげますという仕組みで、あくまで本人の任意です。

すると会社として辞めて欲しい人材も退職していくのでしょうが、辞めないで欲しい人材も流出します。

これは対象を選べないのが問題で、単純な規模縮小はしても優秀な人材の濃度を高めることはできません(実際はそれを避けるために、辞めさせたい人間を窓際に追い込んだりしておくと思われる)。

あとは部署、事業ごと他社に売り飛ばして処分することもあります。実態として窓際部署のようなものを作り、そこに辞めさせたい人材を集めて売り飛ばすという話を聞いたことすらあります。

■外資はクビがあるから優秀なのか?

まぁここではクビにできない制度下での社員の辞めさせ方は論じません。ただ、終身雇用の企業だって社員を辞めさせたいときはあるということです。

ではいわゆる外資系企業。世の中では「外資はクビになる可能性があるから厳しい環境」という発言をよく聞きますが、果たしてそうでしょうか?

実際は「外資だからクビの制度がある」というわけではなく、「外資にはクビを禁止するカルチャーがない」というのが僕の感覚です。

“Up or Out”を謳うコンサルティングファームや、目標を連続で未達になるとクビになる営業などが、「外資っぽい」と目立ってしまっているのは事実です。その一方で外資でもクビを行なっていない企業もあります。

では外資はクビがあるから優秀なのか?

僕の答えはYesです。

ですが、あくまで1要因でしかありません。そもそも日本に進出してきている外資系企業は、彼らから見たら「海外進出できている企業」といえます。優秀な企業しか日本に進出できないので、結果として外資=優秀っぽ見えるのかもしれませんね。

■会社の意思で社員を解雇できることには2つの意味がある。

「You are fired!! (オメーはクビだ!)」と言われると聞こえは悪いですが、会社が会社の意思で社員を解雇できるというのは大事なことです。

会社は維持の負担が大きかったり、そのわりに価値を産まない資産を処分しますよね。不動産や株もそうですし、売り上げの悪い店舗を閉店したり、システムだって古くなれば競争力のあるものに刷新します。これらは企業活動におけるリソースマネジメントなわけです。

ドライなことを言えば、企業の仕組みにおいて社員は”人材リソース”であり、やりくりの対象です。

となると人材リソースを整理(減らす)場合、おおまかに2つの意味があります。

  1. クローズしたい、もしくは縮小したい事業及び業務の人材リソースを削減する
  2. パフォーマンスの低い人材リソースを入れ替える(代謝)

企業から見ればこれらって悪いことではないですよね?

次回はより具体的にシチュエーションを見ていきたいと思います。