チームマネジメント:人を測る為に行う2つの質問。~後編~

前回までは、コンサルティングファームであろうと事業会社であろうと、人を図らなければならないシーンがあること、そして自身の仕事の成功のためにはそれを見抜く力が必要であることを書いてきました。

人、あるいは組織を測るシーンというものがあります。 一般的に思いつくのが新卒、中途の採用面接ですが、それ以外にも日々そういったシーン...続きはこちら。

前置きが長くなりました。

打ち合わせではまずプロジェクトの内容や業務委託内容を説明して、それに沿った経験を話してもらうのはもちろんのこと。でもそれだけでは相手の力は測れません。実際に経験はいくらでも盛ることができるので、過去の経験情報に頼るのは得策ではないでしょう(もちろん具体的に問い詰めることもできるが、雰囲気が悪くなるし、相手も提案モチベーションが下がる・・・)

そこで僕がやるのが、”相手の知見を測る質問”と、”頭の回転を測る質問”を事前に考えておくことです。そして大事なのが無邪気な笑顔で質問すること。

■テーマに沿った一般的な質問で、過去の経験や知見を測る。

まずは相手の知見を測る質問。

もう少し具体的に言うと、相手の知見を測る質問は「弊社のようなXX業種では一般的にはこういった課題が挙がることが多いですが、どういった対応策が考えられるんですかねー?」みたいな、とぼけたふりをした質問ですね。ここは業界業種・部署といった切り口の一般論で良いです。何を相手に求めているかというと、これまでの経験・知見から具体的な考えを述べてもらうことで相手の知見レベルを測ります。

良い回答パターンとして、

  • 一般的によくあるのはコレコレですね、そしてXのようなケースにはYといった対応、TといったケースにはSのような対応が基本的です、といった具体的なパターンに絞って知見を回答してくる場合 →いろいろなパターンの知見があり、それごとに対応方針が大まかに見える
  • 過去にはAといった課題を抱えているお客様がいたのですが、その際にはBのような対応をおこなって、Cのような効果がありました、といった過去の経験を回答してくる場合 →具体的な経験が見え、その対応レベルも察することができる

大きく上記のような回答が得られたら良いですね。一定の信頼感が生まれます。「ケースバイケースですね」のように濁すだけの回答はイマイチです。

この質問はあくまで”知識経験に基づいた一般論”であり、回答する側がある程度事前準備をできる内容です。準備していた回答を、良い内容でされればそれで良く、逆に具体的な回答ができなければ全くダメでしょう。(そもそもミーティングの相手を察してある程度推察してなければ門前払い)

■その場で考えさせる質問で頭を回転を測る。

その次に頭の回転を測っておきます。それは”その場で考えて回答するような質問”でなければなりません。つまり事前に検討準備できないタイプの質問です。

僕は多少細かいことでもいいので、自社の人間しか知り得ない情報で質問を投げます。細かい話なのでこういった切り出し方です。

「あーちなみにー、最近コレコレに困ってしまっていて、どうしたらいいのか悩んでるんですよねー、細かいことで申し訳ないんですが」

こんな感じで唐突に具体的な質問を投げて、解答の瞬発力を見ます。テキトーな顔をして軽い雰囲気で質問しながら、眼は鋭く相手の表情を見ています。笑 取引先じゃなくて面談、面接だったら軽い雰囲気にせずまっすぐ質問しても良いです。

やらしいようですが、実際に仕事を一緒に始めるとミーティングをしながらこうして瞬発的な回答をしてもらう必要があり、そのやり取りのイメージをつけます。提案や経験は良かったのに、実際契約して仕事をしてみると杓子定規の話や、一般論しか言わない人をここで選別できます。

僕は短時間で人を測るのに、このような質問を用意してニコニコ投げます。これらで結構相手は測れるものではないかと感じています。人柄についてはまだ確固たる測り方を持っていませんが、これは過去たくさんの面談をしてきた身から経験と勘で見てしまっていますね。。

それと、先ほどの2つの質問にめっちゃサクサク回答したその人が、実際には偉い人なので提案には出てきてもプロジェクトの現場に参画しない場合があります。そういったケースに備えて、当然ですが参画メンバーや関与率も事前に確認しましょう。。