チームマネジメント:まぁまぁ偉くなったとき、自分で手を動かすのか。~後編~

前回の続きから、今回は実際に資料作成におけるリスクヘッジとテコ入れをするタイミングについて書いていきたいと思います。

前回、指摘は大きく2種類に分けられることを記載しました。 資料の内容に対する指摘メンバーの仕事の進め方・考え方に対する指摘 と...続きはこちら。

■自分の案件だという想いが強いために、僕は最終的にハンズオンをしている。

やっぱり複数のメンバーで分担してDeck作成をしていると品質にもムラが出てしまいます。最後にパッケージとしてまとめて流し見をしていると、やはり穴(イマイチなスライド)が目立ってしまうので、それは手直しを入れてしまうのです。

僕自身反省しながら仕事をしているのですが、自分は“プロジェクトのリーダー”というよりも“自分の案件”という気持ちが強く、つまりクライアントへの成果責任の気持ちが強いのですね。それによって結構ハンズオン型のプロジェクト管理をしてしまいます。。

その一方で残念ながら最近のコンサルティングファームはスライドライティングが下手な人の比率が高い。これは様々な業界に中途採用の門戸を開いているからで、スライドライティングについては「イチから学び直せ!」と言いたくなるレベルのメンバーもいます。僕が結構こだわるというのもありますが、そのため結構自分で手を入れざるを得ないというのが本音です。

複数案件や大きな案件を見るためにはレバレッジが必要で、そのためにはあまりスライドを直接触る時間は減らすべきなのですが。。

■資料作成におけるリスクヘッジは、タイムリミットと取り上げである。

また資料作成について、僕なりに行なっているリスク管理があります。特にまだ信頼のないメンバーや、チーム組成初期に多いです。

重要なミーティングでは、

「資料作成間に合いませんでした or イマイチです」

というのは言い訳になりません。それでミーティングがうまく進まなかったら最悪です。

もちろん資料作成に限らず、レビューが通らず何回も指摘を受けることは当たり前にありますが、ミーティングから逆算して“僕自身が手を動かして作業してもミーティングまでになんとか間に合うタイミング“までに担当メンバーに完了めどが立っていない場合、取り上げます。

もうちょっと頑張りますとか、もう一度考えさせてくださいとか言われますが、そういった根性論はいりません。このまま行けば資料が仕上がるというメドがない限りは取り上げます。厳しいようですが、プロジェクトの最終アウトプット責任を負っている以上リスク管理として淡々と行います。

次回は頑張ってね、と。

■自分の中でマネジメントの粒度を決めておく。できれば各メンバーに最後まで任せたい。

取り上げの期限ですが、レビュワーである自分自身が(深夜を含み)ミーティングまでに資料作成して間に合うよう逆算した時間が取り上げのタイムリミットです。つまり自分で作成すると2時間かかるならミーティングの2時間前がタイムリミットなのですが、そんな単純ではなく、間に他のミーティングが入ったり、資料のパート単位で巻き取ったりするのでもう少しタイムリミットは早めです。

ここまでガッツリやるのは重要なミーティングであって、多少の失敗はリカバリできるミーティングや、最悪口頭でも説明すればカバーできるページは、メンバー育成のために最後までやらせます。

先程レバレッジを効かせるためにはある程度部下に任せることが必要と記載しましたが、僕自身一度立ち止まって考えなければなぁと思うのがその線引き。具体的には、

  • キーとなる重要なミーティングのみしかレビューしない領域
  • 重要なミーティングは自分がレビューし最後には手を入れるが、軽いミーティングはレビューのみとする領域
  • 基本全部Agendaから決めに入る領域

これらの使い分けをもう少し具体化しつつ、事前に自分の中で仕切って取り組んだ方が良さそうです。僕の感触としては“意図的にもっと切り離す、任せる領域を作っていく”ということです。放置にならないようには注意したいですが。

最後まで資料そのものには触らない人もいます。パートナークラスだとまぁまぁいるでしょうが、シニアマネージャーぐらいだと少ないですかね。これに関してはポリシー論に近い側面もありますが、あまり長い間資料作成に触らないことで、腰が重くなってしまったり、エクセルなど自身で作業してもスピードが上がらなくなることもあるでしょう。

ただ僕個人としては、最後に自分で尻が拭ける状態を維持した方が、プロジェクトマネジメントのリスクヘッジとしても不安を小さくできると考えています。最終兵器、オレ。ということですね。。